同じ住所、同じ番地はなぜあるのか?配達員を苦しめる日本の住所の仕組み

Uber配達員や、宅配便の配達をしているとよく出くわす事例ですが、日本には同じ住所に何件も家が立っていることがあります。

同じ番地でマンションが何軒か立っており、マンション名もなく部屋番号だけではどのマンションの部屋か分からないことも多いです。

最近はAmazonや楽天などのネットで買い物をする方が増え、フードデリバリーを頼む方も増えています。それに伴ってそういった商品を配達する人もどんどん増えています。

最近配達を始めた方はびっくりするかもしれませんが、日本には結構な割合で同じ住所が存在します。

そのエリアを長く走っている配達員なら名前や荷物の荷姿などで判別できますが、ある種職人技に近いところがあるので難しいところです。

なぜこのようなめんどくさい事が起こっているのかまとめてみました。

目次

住所はどうやって決まっているのか?

そもそも住所とはどうやって決めているのでしょうか?

住所は「住所表示に関する法律」できちんとルールが決まっています。

「住所表示に関する法律」というのは「都道府県市区町村の名称を冠する他、街区方式又は道路方式を用いる方法によること」と記されています。

よく分からないので簡単にすると、住所を決めるのは街区方式(がいくほうしき)と道路方式(どうろほうしき)の2種類ありますって事です。

街区方式

「街区方式」とは、道路や河川などで区切られた区画を「街区」として、その街区内にある建物に「住居番号」を振っていくという方法です。

◯丁目などが道路や河川などにに沿って区切ってある区画の事です。

〇〇町12-14のような住所だと「〇〇町」までが市町村名、最初の「12」が街区、最後の「14」が住居番号となります。

数字は「丁目」ここには「〇〇町」なども入る

道路方式

もう一つ、「道路方式」は「道路等の名称」と「住居番号」で住所を定めます。

区切り方はほぼ一緒ですが、道路の通りの名前が住所に入っています。「〇〇通り123」みたいな形で道路の名前と住居番号が入ります。

古くから使われているものもある

敷地となる土地の地番を基に定める方式は、昔から行われてきたものです。

「〇〇市〇〇町12番地14」

等のように「番地」という表示になります。

分譲住宅等では、一つの家に対して一つ(以上)の土地があるのが普通ですので、燐家と同じ住所となることは通常ありません。

しかし、この表示は「地番が連続していない」ところが欠点です。

旧番地は飛び番(番地が並んでいないこと)が多いとよく言いますが、昔は道路も少なく土地で番地を決めていたのでバラバラになってしまったのでしょう。

また、大きな土地を持っている大家さんがその敷地内に借家を何軒も建てた場合も同じ住所になる事があります。

飛び番の住所はどうしたらいいのか?

配達をしているとどうしても変わった住所に当たってしまうことはあります。

結論から言いますと、対策はしようがありません。(ごめんなさい!)

新しい住所でしたら番地が並んでいる事が多いですが、古い土地は番地が決まってから変わったところが多く、覚えるしかないのが現状です。

配達してみるとすぐに分かりますが、番地が飛んでいるところと飛んでいないところが分かれています。

番地が飛んでいるところの近くは他のところも飛んでいる事が多くある気がします。

番地が並んでいる所と並んでいないところを覚えていけばなんとか配達できるようになります。ベテランの配達員はそうやってお客さんの場所を覚えて効率良く配達しています。

なんだか郵便物が届くようになったと思われている方はこういった配達員の努力によって郵便物が届くようになっているのです。

住所が並んでないのは当たり前

これまでの話のように、住所が並んでいなかったり、いきなり番地が飛んでいたりするのは日本では当たり前のことなのです。

今まであまり引っ越しをした経験がない方や、配達に関する仕事をした事がない方はびっくりするかもしれませんが、全然珍しくありません。

海外の住所はどうなのか調べましたが、思うような情報は日本語では見つけることができませんでした。

Uber eatsなどのフードデリバリーにも影響が?

住所が並んでない事はヤマトや郵政などの宅配便ではかなり影響が出てきますが、Uber eatsなどのフードデリバリーにも影響が出ています。

フードデリバリーのアプリはほとんどの場合「Googleマップ」を基準にしてお店の場所やお届け先を指定してきます。

お店の設定した住所にアプリ上ではピンが立ちますし、お客さんの指定した住所にもピンが立ちます。

Googleマップが悪いわけではないのですが、新しく建ったマンションや一軒家などは登録されていないので住所が反映されない事が多いです。

そういった場合だとUberアプリは番地なしの町名のみを指定してきたり、〇〇市だけを指定してきたりします。

Googleマップに住所がないのでアプリもわかるところまでしか教えることができないのです。

注文者側できちんと確認すれば住所が違う事が分かるのですが、そこまでの確認はアプリからはないので大体合ってると思って注文してきます。

これがなかなか届かないカラクリですね。

住所が登録されていない時の対策

市町村によっては相談すれば今の住所の後ろに「A」や「-1」などの補助番号をつけてくれる場合もあります。

しかし、住所が変わってしまうとそれに伴って届け出をする場所も増え、同じ住所の方にも伝える必要も出てきます。何かと面倒ですよね。

手っ取り早い方法として、自分の住所が出てこないのであればその番地を1足したり引いたりしてみて登録されているか確認する方法です。

「1-45」などで「45」が出てこないのであれば「1-44」や「1-46」などに変えてみます。

それで出てくれば大体隣あたりを指定してくれるはずです。近くまできてもらえれば後は補足の説明で届けてもらう事が可能です。

自分も間違ってないし、配達員もふざけてるわけではないのでそれを理解していればイライラしたり喧嘩になったりはしないと思います。

まとめ

今回の記事をまとめると

・住所の決め方は決まっているが、後からできる建物も多いので変わってくる
・飛び番に法則はない
・同じ住所で何軒も家があるのは珍しい事ではない

このことを知っているだけで対策できようになります。

同じ住所に何軒もある事を知っていれば怪しいと思った時に電話などで確認ができるようになりますし、住所がどんなふうに決まっているかが分かればある程度予測もたてれます。

到着してみたら違う場所だったってのはざらにありますので、そこからどうやればお客さんのところに辿り着けるかネタが増えたかと思います。

本当はきちんとした住所を書いてくれるのが一番ありがたいですが、地域の事情や手続きなどが理由で住所を変えるのはなかなか難しいところです。

ワンランク上の配達ができるようにこれからも研究していきます!

今回は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。